令和7年3月定例会本会議一般質問(澤田議員)
こども誰でも通園制度について
澤田議員
日本では少子・高齢化が進み、子育て環境の整備が重要な課題となり、特に共働き世帯の増加に伴い、保育施設の不足や待機児童の問題が深刻化している。
政府は児童手当の拡充や教育の無償化を進めているが、十分な支援には至っていない。
さらに、核家族化の進行により親が育児の負担を一人で抱え込みやすく、地域の支援が不可欠となっている。そのため、子育て支援センターの充実や地域社会との連携強化が求められている。
子育て問題を解決するには、行政、企業、地域が協力し、安心して子どもを育てられる環境を整えることが重要。
こども家庭庁は、子育て支援の1つとして令和8年4月にこども誰でも通園制度を施行することを決めた。この制度は、全ての子どもが必要に応じて保育所、幼稚園、認定こども園等の施設を利用できる環境を整備することを目的に導入するもの。
制度の概要・課題・利用までの流れについて問う。
こども家庭部長
【概要】
こども誰でも通園制度の対象を未就園児の割合が高いゼロ歳6か月から満3歳未満の児童を、月一定時間の利用可能枠の中で、就労要件を問わず、時間単位で保育施設に児童を預けることができ、令和8年度からは居住市町村以外にある施設でも預けることができるようになる。
【課題】
日々異なる児童が利用し、児童によって在園時間や利用頻度が違うこと等、通常の保育とは異なる状況になることを踏まえて施設の運営を行う必要がある。
保育所等でスムーズに児童を受け入れるためには、これまで以上に施設と利用者との間で必要な情報を把握し、しっかりと共有することが必要。
【利用までの流れ】
本市では令和7年度に市内の施設、令和8年度から全国の施設を利用できるようになる。
まず保護者はシステムを利用する際のアカウントを受け取るため、本市の保育担当に利用を申請し、次にシステムに児童のアレルギー情報、健康状態、予防接種の状況などの必要項目の登録を行った上で利用したい施設を選択し、面談日を予約し、親子で保育施設と面談された後、施設の空き状況を確認し、利用予約を行うという流れになる。
有害鳥獣について
澤田議員
現在、富山市内ではニホンザルが農作物に大きな被害を与え、凶暴化し住民への危険性が増している。特に大山地域、大沢野地域、細入地域、八尾地域に集中して被害が広がっている。大山地域、大沢野地域、細入地域、八尾地域のニホンザルの生息数について問う。
農林水産部長
県では、本市のニホンザルは11群、390頭が生息していると推定している。
澤田議員
市街地への出没が増え、農作物や住宅への被害が深刻化していることから、被害拡大を防ぐための対応策が必要である。どのような予防対策を講じているのか。
農林水産部長
集落での環境管理対策として、畑などの未収穫の野菜をなくすことや家庭から出る生ごみ等の管理を徹底し、ニホンザルへの無意識の餌づけをしないことを注意喚起してきた。
侵入防止対策として、農地への電気柵の設置や電動エアガン等の機材の導入支援を行い、電気柵は約22キロメートル、電動エアガンは44集落に163丁が導入された。
ニホンザルが農地に出没した場合、農林水産部が通報対応や被害確認のほか、鳥獣被害対策実施隊と連携したパトロールや捕獲を行うなど、一元的に対応している。
住宅地に出没した場合は、市民生活部と防災危機管理部との3部局が連携して対応に当たっている。
市民生活部長
今年度、地域ぐるみでニホンザルを追い払う町内会の取組に対する支援事業を開始した。
今年度は、大沢野地域、大山地域、細入地域において爆竹、ロケット花火を計82の町内会に延べ166件、エアガン用のBB弾を計26の町内会に現物支給した。ニホンザル出没の連絡を受けた際には行政サービスセンター職員が現地へ赴いた回数は計22回。
このほか、八尾地域でも、地域からの相談を受け、爆竹、ロケット花火を3町内会に延べ5件、エアガン用のBB弾を1町内会に現物支給した。
令和7年度もニホンザル追い払い支援事業経費を本定例会に当初予算案として提案し、市民の皆様の安心・安全のため、引き続き取組を推進してまいりたい。
防災危機管理部次長
防災危機管理部は現地確認の同行、地域住民への周知が必要な場合には広報車での巡回を行っている。
澤田議員
大山地域、大沢野地域、細入地域、八尾地域には約390頭のニホンザルが生息しており、今年度は約2割に当たる85頭を捕獲したことになるが、地元の猟友会は、生息数は800頭を超えているのではないかとのことだった。
もし、この推測が正しければ、現在の捕獲数では、個体数は増加し続けることになる。もはや一部の個体を捕獲するという対策では十分とは言えない。
全頭捕獲を視野に入れた抜本的な対策を考える時期に来ている。有害鳥獣の被害予防、出没後の対応、捕獲作業などを一元化し、専門の部署を設置し対応すべき。
全頭捕獲を行った市町村は専門部署を設置しているとのことだった。今後どのような体制でニホンザル対策を行うのか。
市長
体制は見直さず、現在の部局横断体制で最善を尽くし、被害防止対策の徹底を図る。
ニホンザルの被害防止対策は、抜本的な捕獲対策が最も大事だ。
富山県ニホンザル管理計画で群れごとの捕獲上限数等を定めており、今年度は本市の捕獲上限数を78頭から30頭引き上げていただき、現在、さらなる捕獲に努めているが、捕獲頭数の制限を設けない加害群の除去が必要なレベルに達していると感じている。加害群の除去の実施は、群れの明確な識別、防除と環境管理の徹底、捕獲後のモニタリング体制の整備等の条件を満たすことが必要となり、県内で実施された例はない。
今後、加害群の除去の必要性について、県内の市や町と情報交換を密に行いながら、県に対して強く要望してまいりたい。加害群の除去の実施を要望する際は、必ずしも群れの全個体を捕獲するのではなく、あくまで人里や住宅地に進入してくる個体に限り上限を設けずに捕獲するという手法が望ましい。
大沢野行政サービスセンター跡地の温浴施設について
澤田議員
昨年の9月定例会では、温浴施設の整備は一旦白紙に戻され、温浴施設の再構築に向け進めていくとの答弁だった。最新の状況について説明を求める。
企画管理部長
移転前の大沢野行政サービスセンター(旧大沢野町役場庁舎)の跡地の活用は、民間の独立採算を前提に自主提案事業として公募した結果、事業用定期借地権設定契約を締結した温浴施設の提案を受けたものである。
しかし、他の既存の温浴施設が原油価格の高騰やインフレの影響による金利の上昇、さらには、人件費の高騰が深刻化し、事業者の代表企業から事業の実施がほぼ困難であるとの申入れを受けた。
事業者と取り交わした基本協定書では、自主提案事業が開始されない場合、市が要求するときには、市が合理的に満足する自主提案施設事業者の代替事業者を確保するよう最大限努力しなければならないと定めている。
このため、事業者の代表企業に対し、再三にわたり、代替事業者を確保するよう働きかけたが、代替事業者の確保には至っていない。
澤田議員
大沢野行政サービスセンター跡地は地域にとって貴重な公共資産であり、その活用方法は住民の生活や地域の発展に大きく関わる。これまでの計画を見直し、より多くの市民が利用しやすい施設やサービスを検討することが求められている。
市としてどのように住民の声を反映し、地域のニーズに応じた活用方針を検討するのか。
企画管理部長
事業採算性や立地上の理由などにより当該跡地への商業施設の誘致は極めて難しい。
また、当該跡地は行政目的での活用は考えていない。
仮に自主提案事業が実施できないことが確かになった場合は、まずは市が調査・検討を行う。現時点では、住民を巻き込んだ検討を行う段階にはない。
富山市の公共交通について
澤田議員
富山市の公共交通を支える上で重要な役割を担っているのが富山地方鉄道(株)である。
現在、富山地方鉄道(株)は、鉄道事業、バス事業ともに運転手不足という深刻な問題を抱えながら通勤・通学、観光輸送において事業の維持に尽力し、地域密着型の交通網を維持しながら、市民や観光客の移動を支える役割を担っている。
市は富山地方鉄道の鉄道線に対し、どのような支援を行っているのか。
市長
近年は、県や沿線市町村と連携した協調支援として、安全輸送のためのレール交換やPC枕木化などの施設更新、コロナ禍における減収の補填や燃料価格の高騰に対して支援を行ってきた。
しかし、減収補填や物価高騰対策など一過性の支援では根本的な収支改善には至らないと考えている。
今後の持続可能な鉄道線の実現に向けて、まちづくりに必要な投資という観点で抜本的な経営改善につながる取組を行っていく必要があり、鉄道線の経営状況が逼迫していることから、関係者間でスピード感を持って検討を深めていく必要があると考えている。
澤田議員
富山地方鉄道(株)は営利企業であり、本来であれば、赤字部門については廃止しても問題ない。しかし、同社は、鉄道線において年間約7億円の赤字を抱えながらも、国や自治体の補助金を活用しつつ、県民や市民のために懸命な経営努力を続けている。バス事業についても、富山市を通る73路線のうち黒字路線は僅か10路線であり、補助金で維持されている27路線を含めても全体の半数でしかなく、残り36路線は大きな赤字を抱えている。一般的な営利企業であれば、これほど多くの赤字路線は早急に廃止するのが当然。しかし、富山地方鉄道(株)は、賃金カットや資産売却などを行い、社員の賃金、経営を犠牲にしてまで鉄道線、バス路線の維持に努めている。これは地域住民の移動手段を確保するための使命感を持って取り組んでいる証と言える。
このような状況で赤字路線を維持している富山地方鉄道(株)は、公共交通機関を支える企業として高く評価し、鉄道バス事業の経営努力を十分に認識し、その重要性と評価を市議会としても再認識するべき。
市は富山地方鉄道の鉄道線に対する経営努力をどのように評価しているのか。
市長
これまで富山地方鉄道(株)では、議員紹介のように、様々な取組をしている。例えば賃金や退職金のカット、人件費の削減、あるいは駅の無人化、ワンマン運転化等々、また、特筆すべきは、こういう努力によって鉄道事業の運行コストは全国の鉄道会社の中でも最低水準に抑えられている。
さらに近年では、営業収支の改善を図るため、自社所有地を売却されるなど、身を切る取組を行いながら、公共交通機関としての社会的使命を果たすべく、経営の範囲を超える公共サービスを提供され続けてきたと認識している。
澤田議員
公共交通は市民の移動手段として欠かせないものであり、高齢者や学生を含め、多くの市民生活を支えている。我々も富山地方鉄道(株)の公共交通機関としての経営努力を高く評価し、その存在意義をしっかりと確認しながら公共交通を支えていかなければならない。
富山市民が公共交通をより利用しやすくするために、市はどのような対策をしているのか。
活力都市創造部長
市民に公共交通を利用していただくため、市民が過度に自動車に依存した行動を見直し、自発的に交通行動の転換を促すモビリティ・マネジメントを推進するとともに、公共交通サービスのレベルを引き上げ、利便性の確保に努めている。
モビリティ・マネジメントの主な取組内容は、小学生を対象に公共交通の役割や必要性を小学生自らが考える交通環境学習「のりもの語り教育」の実施や公共交通機関の駅、バス停周辺にある企業への利用啓発、8月の公共交通利用促進月間に合わせ、テレビやラジオなどのメディアにおける啓発活動やとやまレールライフフェスタを開催し、公共交通の魅力の発信に努めている。
また、高齢者の公共交通の利用促進や外出機会の創出を図るため、高山本線シニアおでかけきっぷの販売やおでかけ定期券事業などに取り組んでいるほか、今年度は新たなモビリティーサービスとして、富山港線において、平日朝の利用者の多い富山駅停留場の定時性を確保するため可搬式運賃箱を導入したほか、JR高山本線の西富山駅へのアクセス時間の短縮を図るための西側からの通路を新設するなど、公共交通のさらなる利便性向上を図っている。
引き続き、市民に意識的に公共交通を利用していただけるよう年代や地域等に応じた手法を通じてモビリティ・マネジメントを推進し、この取組と併せて様々な利便性向上策を実施することで利用促進に取り組んでまいりたい。
澤田議員
富山市も公共交通の利用促進に力を入れていることから、公共交通を支える富山地方鉄道(株)と良好な関係であるということがうかがえる。
最後に、今後、富山地方鉄道(株)を含め、公共交通への支援をどのように考えているのか市長の見解を問う。
市長
本市では、持続可能な都市構造への転換を図るため、市民生活の足となる公共交通を、コンパクトシティ政策を進める上で必要不可欠なインフラとして捉え、交通事業者への投資という観点で、この公共交通の活性化を図るために積極的に投資をしてきた。
LRTネットワークの形成をはじめ、JR高山本線や富山地方鉄道不二越・上滝線の増便運行や、パーク・アンド・ライド駐車場の整備、生活バス路線への支援による運行の維持、モビリティ・マネジメントの推進など、様々な公共交通の活性化や利用促進策に取り組んできた。
また、民間交通事業者により交通サービスが提供されていない、いわゆる公共交通空白地域では、地域自主運行バスを生活交通確保のための取組として位置づけ、必要な支援を行ってきた。
さらに、コンパクトシティとスマートシティを融合した取組として市営大山コミュニティバスにおけるAIオンデマンド交通の導入のほか、自動運転バス、グリーンスローモビリティの社会実験なども実施し、新たなモビリティーサービスの推進という観点からも推進をしている。
富山港線の路面電車化事業を始めてから本市がこれまでぶれずに進めてきたコンパクトなまちづくりの基本方針である。私は、今後もこの方針の下、将来にわたって持続可能な公共交通の実現に向け、まちづくりの根幹を担う公共交通の活性化に積極的に取り組みたい。
澤田議員
日本全国、都市部以外の公共交通機関は瀕死の状態。北陸でも、JRは北陸新幹線の乗り入れを理由に在来線を切り捨てた。このような中、富山地方鉄道(株)の社員は懸命に公共交通を支えている。経営努力を理解せず、経営陣の退陣を求める発言を富山市議会でされた議員もいたが、経営努力し、懸命に公共交通を支えている経営陣であり、退陣を要求するのはもってのほか。そもそも一民間企業の人事を議会で取り上げることすらおかしい。
私は、公共交通を立派に支えている富山地方鉄道(株)の社員の皆様方をはじめ、経営陣にも最大限の敬意を表したい。