令和8年3月定例会本会議一般質問(久保議員)
地縁団体との関係について
久保議員
市内には、主に小学校区単位で組織する自治振興会や町内会といった地縁団体がある。
地縁団体は、様々な行事を通して地域住民の親睦を図り、地域の連帯を高め、防犯や防災をはじめ、様々な地域課題の解決に取り組んでいただいている。
一方で、多くの地縁団体は、高齢化や定年延長などによる役員の成り手不足など、様々な課題を抱えながら、日々の活動を維持・継続するために大変な苦労をされている。
市は、地縁団体に市政に関する情報周知や調査協力、各種委員の推薦など、様々な依頼をしている。昨年9月の厚生委員会で現状把握を行うとの答弁があった。その調査結果について問う。
市民生活部長
市が町内会等へ依頼している各種調査は7件あり、このうち町内会加入率調査や街灯設置要望調査など毎年実施するものが3件、空き家実態把握調査などの5か年に一度の調査が2件、コミュニティバスや鉄道の在り方に関するアンケート調査のように1回限りの調査が2件実施されていた。
また、町内会等への各種委員の推薦は、20部局中12の部局において、年1回から5年に1回までと依頼の頻度は様々ではあるが、民生委員・児童委員のほか、少年補導委員、美化推進巡視員、男女共同参画推進地域リーダー等、計35件に上っている。
このほか、町内会等への配布物の依頼状況については、14の部局において地元町内会での回覧を依頼するものが83件と最も多く、次に全ての世帯へ配布を依頼するものが14件となっており、主なものは行事案内、市の事業や制度の紹介、工事のお知らせなどとなっている。
久保議員
昨年の秋に活力都市創造部から地縁団体に対して空き家の調査依頼があり、地縁団体が協力を断ったことが報道でも取り上げられた。
活力都市創造部に限らず、行政から依頼があると、町内会長は総会や役員会で説明し、町内の皆さんに協力をお願いすることになる。市からの依頼が年度の途中、総会や定例役員会の開催直後に届いた場合、臨時の役員会を開催することになり、町内会長や役員の物理的・心理的負担はさらに大きくなる。
さらに、役員会では批判的な意見や感情的な不満が町内会長にぶつけられることもある。
年度途中に当たり前のように調査手法と期限が届き、不明な点について担当課に問い合わせた際に、感謝の言葉どころか上から目線で指示されれば、腹が立つのも当然。
例えば3月に来年度予定している依頼事項やその時期だけでも伝えておけば、大きく負担感を減らすことができる。
そういった地縁団体の実情や苦労に思いを馳せない市の姿勢が地縁団体との信頼関係を徐々に毀損してきたことを、市当局の皆さんは自覚しなくてはいけない。
空き家の調査を市内全域で行う場合、担当課の職員では到底できない。外注する場合は多額の費用がかかる。
前回も地縁団体がやったのだから今回もやってもらえばいいと考えるのか、自分たちではできないので、何とか地縁団体の皆さんに協力をお願いしたいと考えるのか、根本的な姿勢が発出する書類や説明、対応に表れてくる。
地縁団体からノーを突きつけられたことを契機に、当局の皆さんの意識改革を期待する。
一方で、市の責務、市の業務だから市が行えばいいという地縁団体の主張には一定の理解もできるが、御協力いただくことで、1つに、市の財政的な負担が軽減され、地域要望の早期実現につながること、2つに、市が地域の実態を的確かつスピーディーに把握できることで、より効果的な政策を実施できるようになる。
地縁団体の皆さんの協力は、市民の皆さんに広く還元される。
今までの市とのやり取りで、市から強要されている、市は地縁団体を下請と勘違いしているのではないかと感じさせたことは、自民党会派としても一議員としても責任を痛感している。
当局に対して自省と改善を粘り強く訴えるので、地縁団体の皆さんには今後も市の依頼に御協力いただきたい。
地縁団体に対して感謝の気持ちを持ち、丁寧に説明をしながら信頼関係を築いていくべきと考えるが、市長の見解を問う。
藤井市長
自治振興会や町内会は、多岐にわたり住民と行政をつなぐ役割を担い、市政の発展並びに市民福祉の向上を共に進める本市の重要なパートナーとして必要不可欠な存在であると認識している。
こうした中、市が自治振興会等に対して多くの依頼をし、負担に感じていることも重々承知している。
住民の自治力、町内会の自治力、自治振興会の自治力は富山市にとって生命線である。地域を次の世代につなげていくための大切な生命線であると認識しており、我々はこれからも、真摯に向き合い、思いやりの心を持ち、意思が通じ合えるようにやっていきたい。
法定外公共物について
久保議員
法定外公共物のうち農業用排水路の維持管理は、これまで農業関係者で構成する生産組合が担い、土地改良区と連携しながら修繕などを行ってきた。
一方で、本市は市街化区域内の農地に対して転用するよう圧力をかけ、多くの農地が転用された。その結果、市街化区域内では、水路の機能が農業用から雨水排水用に変わったものが多数あるが整理できていない。
このような状態で呉羽山断層帯地震が発生し、市街化区域内の法定外公共物が大量に被災した場合、雨水排水用の水路の復旧は国土交通省、農業用排水路の復旧は農林水産省の災害復旧事業を活用することになり、特に農業用施設の災害復旧には受益者の負担が生じるため、事前に整理しておかなければ迅速な対応が難しくなる。
法定外公共物の主たる機能について整理する必要があると考えるが見解を問う。
建設部長
大規模地震が発生し法定外公共物が一斉に被災した場合に生ずる混乱を最小限に抑えるためには、あらかじめ法定外公共物の主たる機能について整理しておくことが望ましいことから、まずはその整理方法等について関係部局と連携しながら協議を進めたい。
久保議員
地域の水路を管理していただいていた生産組合は、高齢化と農地転用による農家の減少により、以前のように水路の維持管理をすることは困難になってきている。市街化が進んだ地域では、生産組合を解散するケースも増えている。
管理者不在となった水路は、土砂が堆積し、雑草が繁茂し、排水能力の低下による冠水被害や害虫が発生するなど、町内会や市民から対応を依頼されることも増えてきた。
今まで生産組合が維持管理していた水路を町内会と連携して維持管理できないか、協議を始めたところもあると聞いている。
市内の用排水路を市が全て維持管理することは費用的に不可能と考えるが見解を問う。
藤井市長
法定外公共物の補修や清掃などの日常管理は、施設が整備されたときからの慣習として、受益者である農業関係者で行われてきた。
このような法定外公共物の中には、都市化の進展などにより雨水排水の機能のみとなり、さらに農業従事者の減少などにより管理が行き届かなくなった水路が存在しており、土砂の堆積あるいは雑草の繁茂などによる環境の悪化が近年課題となってきている。
法定外公共物の日常管理を全て本市が行うことは、予算的にも人員的にも困難であり、地域の生活に密着した共有財産として、自治振興会や地元町内会の皆様にもその管理について御協力をお願いしたい。
久保議員
家の前の側溝に泥が詰まって水が流れなくなったので清掃してもらえないかという相談を受けることがよくある。建設部のほうには同様の依頼が殺到している。
例えば土が固まり人力では対応できない場合は建設部が対応してくださる。
その際には、必ず町内会の皆さんに、その後は自分たちでできるだけ管理してくださいとお願いしている。当然、なぜ自分たちがしなければいけないのか、私たちのものではない、これは市の所有物だと言われる方もいらっしゃる。そういった時は、そこで根を張って活動している議員がしっかりと仲介に入り、双方の立場をしっかりと理解した上でよい回答を見つけていくコミュニケーションが必要だと強く感じている。
私たちも精いっぱい地域に根を張り頑張るので、当局の皆さんも地域の皆さんに目配せをしながら市政運営を進めていただきたい。