令和6年6月定例会 本会議 一般質問(泉議員)
学校再編に伴う多様化の促進について
泉 英之
今回は、昨年のこどもまんなか応援サポーター宣言を受け、現在進行中の学校再編を含め、これら富山市の教育の在り方について質問します。
バス通学という手段は、電車通学と違い、乗り物酔いになりやすく、私の場合、大人になった今でもバスの運行中に新聞すら読めない体質のままで、子どもたちにとっては本を読むにはつらい環境にあることから学校の補習時間に充てるには無理があり、例えば日々の部活動や体育祭、文化祭等の準備など、放課後活動にも支障が出ることも考えられる。
そこで、遠距離通学児童・生徒の毎日2時間、月間にして40時間以上、義務教育を受けるためとして費やされてしまう時間的損失と地元児童・生徒との間に大きな不公平を生じてしまうことについてはどのような認識なのか見解を求める。
教育委員会事務局長
議員御指摘の通学に係る時間的損失と児童の間の不平等が生じてしまうという御意見につきましては、学校再編に関わらず、既存の校区においても児童の居住地の違いによって時間差が生じていることから、通学時間だけに絞って議論することは適切ではなく、小学校の規模が適正化することでプラスの教育的効果が期待されることとの兼ね合いを含めて総合的に考えるべきことと認識をしている。
いずれにしても、先ほどの繰り返しとなりますが、市教育委員会としましては、必要な情報提供を行った上で、地域住民や保護者の合意が得られた校区から学校再編を推進したいと考えている。
泉 英之
時間だけで捉えることは異なことだと。40時間という時間をどのようにお考えなのか、その辺をもう1回しっかりと考えていただきたい。
これまで何度も文部科学省の担当官と国の方針を確認してきましたが、文部科学省の基準はあくまで最低限の目安を提示しているにすぎず、地方公共団体の教育委員会はそれぞれの地域の実態に応じて子どもたちの負担を軽減しなければならない義務を負っていることを再度確認願いたい。
泉 英之
小規模特認校への就学条件として、保護者の責任の下で登校できることとしていますが、「保護者の責任」という条件提示では子育て世代から見ると大変重たい覚悟の上で応募しなければならない文言であり、今ほど述べたように、国の方針には市町村教育委員会の責任に基づきとあるのに対し、これを保護者の責任へと転嫁している富山市教育委員会の姿勢は「子育て日本一とやま」を掲げる富山市の方針に背く重要な事象であり、これまで保護者の押印を廃止してきたように即座に削除すべきと考えますが、見解を求める。
教育委員会事務局長
中学校学校選択制や小規模特認校制により通学する場合、通学距離や時間が長くなるため児童・生徒が安全な方法で通学するには保護者の御理解と御協力が不可欠であることから、保護者の負担及び責任において通学させることを必要な要件としている。
泉 英之
質問に答えてない。
即座に削除をすべきではないかという意見に対して答弁を 求める。
教育委員会事務局長
先ほどの繰り返しになりますが、学校選択制で通学する場合には児童・生徒の通学距離が長くなることから保護者の御理解と御協力が不可欠であるということで、保護者の負担及び責任において通学をさせるという要件を付しているところです。
泉 英之
今のは教育委員会事務局長のお言葉ですが、教育長はどのようなお考えなのでしょうか。一言いただけませんか。
教育長
今ほど事務局長が答弁したとおりと私自身も考えている。子どもを学校に通わせるというのが保護者の義務ということであり、それを保護者の責任においてというふうな表記にしているところで、そういった条件を付して教育委員会が権限と責任において2つ──中学校選択制あるいは小規模特認校制──を実施しているというふうな考えです。
泉 英之
こんな考えで「子育て日本一とやま」が実現できるのでしょうか。大変不安になる。
現在、県立水橋高校の跡地利用を受けて、既に水橋地域の義務教育学校設立に向けた取組が動き出しておりますが、細入地域、山田地域の自治振興会から当地域の義務教育学校への移行要望が出されており、既に丸4年以上を経過していると記憶しておりますので、現在までの議論の推移と今後の見通しについて答弁を求める。
教育長
義務教育学校設立に関する要望書につきましては、令和2年9月3日に細入地域から、同年10月27日に山田地域から、それぞれ市教育委員会に提出がありました。
議員お尋ねの両地域において小中一貫教育を行う義務教育学校の設置につきましては、1つに、細入地域、山田地域につきましては、それぞれ同じ敷地内に小・中学校が併設されていること、2つに、小・中学校の校長が連携して9年間を通じた教育活動を推進していることや学校、地域、保護者が協力して学校運営を進めるコミュニティスクールについても小・中学校が1つになっていること、3つに、併設型の校舎を生かし、一部の教員が小学校と中学校を兼務し、小学校における教科担任制の実施や中学校の免許外指導の一部解消を図っていること、4つに、小・中学生の合同学習による交流を行い、多様な仲間とふれあうなど、小規模校の課題を解消するよう努めていることなどの理由から既に義務教育学校に近い状況にあり、現在のところは具体の議論は行っておりません。
泉 英之
今の質問の再質問になりますが、なぜ議論を行わないのでしょうか。
近いものであるということは分かります。しかし、地元からは義務教育学校をお願いしたいという要望なのに対して、議論を行わない理由は何なのでしょうか。
教育長
今ほど答弁しましたとおり、学校併設、教員の乗り入れ、それから、子どもたちの合同交流学習等、義務教育学校で実施できる内容を既に実施しているということで、今のところ義務教育学校に近い状況ということを申し上げましたとおり、現在のところ、その必要性を感じていない、考えていないということで具体の議論を行っていないという状況であります。
泉 英之
今年の3月定例会で県の成長戦略会議委員である藻谷浩介氏のテレビインタビューを取り上げましたが、中でも、少人数教育が受けられることはチャンスであるとの言葉が強く印象に残っております。このような時代に即した人物をぜひとも教育委員として招かれんことを切望しておきます。
また、金太郎あめのようにどこを切っても同じ才量の子どもを育てるのではなく、全国の多くの義務教育学校でその地域に根差したふるさと教育を最終学年に取り入れているように、せめて小・中学校の間は、仮に少人数であろうとも、山の子は登山やスキー練習に励み、海の子は泳ぎが堪能で魚釣りもうまいといった個性的な子ども時代を過ごすことこそが多様なる富山市を築く礎だと考えております。